マンボウの美味しさ探訪

新潟県上越地域のラーメンを中心に美味しいものの記録

だるまや

監禁騒ぎで警察沙汰まで 「だるまやグループ」新経営陣の愚行

2014年05月26日

本誌5月号がスクープした長野在住の経営者による人気ラーメンチェーン「だるまやグループ」の買収劇は各方面に大きな衝撃を与えた。業界関係者はもとより、ラーメンフリークが集うインターネットの掲示板でもこの話題で持ちきりだ。しかしながら驚くのはまだ早い。今回は「ラーメンの命」ともいえるスープの製造責任者が新経営陣によって懲戒解雇され、しかもその前段で監禁まがいの騒動を引き起こして警察沙汰にまで発展していた一件をご報告する。

ラーメンについてはド素人

ちゃーしゅうや武蔵、吉相、万人家 、一兆、孔明、一本槍やり、我聞、ダルマ食堂、大舎厘、武吉兆、萬人 、青山製麺、弁慶…。 これら数々のラーメン店を展開する「だるまやグループ(本部・新潟市江南区)」による営業店舗は計30店超に上る。そしてグループ売上高は推定20億円超といわれている。

その「だるまやグループ」を昨年2月、長野県で携帯電話販売や飲食店運営などを手掛けるマテュリティ(本社・上田市)のオーナー経営者が買収。

「だるまやグループ」の創業オーナー・相原廣氏が代表取締役を辞任するとともに、マ社から新たに会長、社長、副社長が送り込まれ経営陣が総入れ替えとなった。 しかし新生「だるまやグループ」の船出は順風満帆ではなかった。波風が立った要因はいくつか考えられるが、中でも決定的だったのは創業者・相原氏が確立した経営スタンスと新経営陣のそれにあまりにも大きなギャップがあったことだろう。

さる飲食業界関係者は以下のような見方をする。

「創業者の相原さんはもともと「紳士服のコナカ」の営業マンだった人ですが、脱サラして「だるまや」を開店。いうまでもなく自ら厨房に立って売れるラーメンを開発してきた苦労人なのです。これに対して長野から来た新経営陣は異業種の人たちですから、ラーメンについてはド素人。このためラーメンの味や作り方は二の次で、単に売り上げや利益を追求するマネジメント一辺倒の経営に走ってしまったのです」(同社の内情を知る人物)

実際のところ社員の中には新経営陣のやり方に反発して辞表を叩きつけ、独立して新店舗を立ち上げる動きも相次いでいるという。

こうした中、記者は決定的かつ衝撃的な情報を入手した。本誌前号でスープ工場の製造責任者が退社したことに触れたが、その真相がついに判明したのだ。

迷走「だるまやグループ」新経営陣が沈黙を破って本誌に反論

2014年06月26日

本誌が2号連続で徹底リポートしてきた超人気ラーメンチェーン「だるまやグループ」買収劇の余波は、拡大こそすれ収まる気配が一向にない。幹部社員の相次ぐ退職、独立組による競合店の立ち上げ、さらには新経営陣によるスープ製造担当者の懲戒解雇など、火種は尽きない。だるまやグループで今、いったい何が起きているのか? 本誌の取材に対し新経営陣がついに沈黙を破った。

カリスマ社長が会社を売却

だるまやグループの創業は1980年。その原点は新潟市中央区古町通7番町のうどん屋「琴平」だった。

同グループを創業した相原廣氏(65)はそれまで「紳士服のコナカ」で支店長など管理職を歴任、将来的には役員就任が確実視されていた。その同氏が脱サラして同店を立ち上げたのだった。

相原氏が「だるまやグループ」の誕生秘話を明かす。「コナカは一頃、経営多角化の一環で讃岐うどん店を展開したことがあるのです。当時、責任者から"讃岐うどんは儲かるぞ"と聞かされまして、一念発起して脱サラし、琴平を開店したのです」

その後ほどなく同8番町の大竹座前に「だるまや1号店」を開店、ラーメン事業にも参入する。これが見事に当たって店舗数を順調に増やしていった。

一方で相原氏は「だるまや」一辺倒の店舗展開にとどまらず、次々と新たなコンセプトの店舗を立ち上げていった。吉相、万人家、ちゃーしゅうや武蔵、一兆、孔明、一本槍、我聞、ダルマ食堂、大舎厘、武吉兆、萬人、青山製麺、弁慶…。

このように系列店であるにもかかわらず、あえて「だるまや」の名前を前面に出さずにマルチブランド戦略を推進したことによって同グループは急拡大したともいえる。

今やグループ年商20億円超といわれているが、相原氏はその「だるまやグループ」の全保有株を第三者に譲渡し、昨年2月14日付で代表取締役を辞任。会社を売却したのだった。

全株取得によって新たに経営権を握ったのは、長野県上田市で携帯電話販売や飲食店経営などを展開する株式会社マテュリティ代表取締役を務める翠みどりかわ川忠彦氏で、同氏がだるまやの代表取締役会長に就任。以下、社長、副社長、専務ら首脳陣についてもマテュリティの幹部が就任した。

そしてそれ以降、さまざまな騒動が勃発する。新経営陣の方針に反発した幹部社員が相次いで退社、またある店舗ではボヤ騒ぎに端を発して店長の過酷な勤務状況が取り沙汰されもした。

だるまやお家騒動 第4弾 競合店を開店!元幹部の逆襲が始まった

2014年07月28日

人気ラーメンチェーン「だるまやグループ」の元幹部たちが横暴極まりない新経営陣にリベンジすべく、ついに逆襲に乗り出した。「吉相」や「だるまや」の店長、総括マネジャーが次々と退社、競合店を立ち上げて真っ向勝負に打って出たのだ。こうした独立組の台頭によって、これまで「だるまや」の一人勝ちだった業界勢力図が大きく塗り替えられるのは必至の情勢だ。

「だるまや亀貝店」も水曜定休に

だるまやグループを知るさる業界関係者がいう。

「長野からやって来た新経営陣は本来、現場で長く働いてきた従業員のやり方をもっと尊重しなければなりません。彼らはもともと異業種の人たちですから、ラーメンについては素人です。これに対して現場の従業員、とりわけ幹部社員はいずれもラーメンづくりの経験を有する職人なのです。

しかし今の『だるまや』では、素人の新経営陣が職人相手に見当違いな指図をして現場を混乱させているのが実情です。しかも新経営陣は自分たちの意見が通らなかったり、否定されたりすると人事権にモノを言わせて幹部たちのクビを簡単に切ってしまう。これでは従業員の気持ちはますます離れるばかりですよ」(新潟市の飲食店主)

昨年2月にM&A(企業の合併・買収)によって創業者の相原廣氏から新経営陣が経営を引き継いで以降、それまで各店舗を取り仕切っていた幹部社員が何人も会社を去った。

ある者は不当な理由で懲戒解雇され、またある者は上層部の横暴極まりないやり方に反発して抗議退職。それを間近で見ていた各店舗のパートやアルバイトの間にも動揺が広がり、職場を辞める者が相次いだ。

その結果、人手不足に陥り、本誌前号が伝えたように4月末には阿賀野市の「麺屋 弁慶」が無期限の臨時休業に。

また新潟市中央区の「だるまや女池店」もそれまで年中無休だったが、5月半ばから毎週水曜を定休日とした。

だるまやグループの内部事情に通じた業界関係者が語る。「社内的には現時点でも人手不足がまったく解消されていません。『だるまや女池店』に続き『だるまや亀貝店』(新潟市西区)も7月16日から毎週水曜が定休日となりました」(事情通氏)

こうしたことから上層部もここへ来て大いに危機感を募らせていると伝え聞く。

別の業界関係者がその根拠を示す。

「これを見てください。7月5日にだるまや本部が新潟市東区を中心に配布した新聞の折り込みチラシです。同社がこのようなキャンペーンを実施するのは初めてです。新経営陣もそれだけ必死だということです」 (飲食店主)

チラシのタイトルにはこうある。〈東区エリアで らーめんバトル勃発!〉

だるまやお家騒動 生え抜きナンバー3が新経営陣と決別!

2014年08月26日

人気ラーメンチェーン「だるまやグループ」の元幹部による新規出店ラッシュが止まらない。前号で報じた「吉相」「だるまや」の元統括マネジャーによる新店立ち上げに続き、さらに二人の元幹部も競合店をオープン。新経営陣と独立組とのバトルは全面戦争へと突入した。

元幹部が「ふじの」を開店

前号でも報じたように7月初め、「吉相 女池インター店」(新潟市中央区)の元店長兼吉相統括マネジャーと「だるまや」4店舗の元統括マネジャーがそれぞれ「麺や吉風」(同市東区)と「和風とんこつ たまる屋」を新装開店。

すでに地元のグルメガイドブックやテレビでも取り上げられているが、ただし本誌以外のマスコミは彼らが人気ラーメンチェーンで長年修行を積んだとはしながらも、古巣の「だるまやグループ」の名前はいっさい出していない。

飲食店関係者がいう。

「だるまやの”だ”の字でも出そうものなら、当のだるまやからのクレームが予想されますからね。だるまやは大事なスポンサーであり、またラーメン特集を盛り上げるためにはなくてはならない”商材”ですから、マスコミ関係者もむやみに刺激したくないのです」(新潟市内のラーメン店主)

まして「吉相」の統括マネが新経営陣によって懲戒解雇され、「だるまや」の統括マネが不当降格によって自ら会社を去った事実を何のためらいもなく報じるような芸当は本誌以外のマスコミでは逆立ちしても無理だ。

とはいえ、だるまやのお家騒動に端を発する独立組による相次ぐ出店ラッシュは、グルメガイドやテレビ局にとっては喜ばしい事態だという。

前出の飲食店関係者が指摘する。

新潟県内エリアのラーメン特集は当然ながら店舗数が限られているわけで、そこへ新店が続々とオープンすればガイドブックの需要が高まるほか、テレビ局にとっても広告収入に結び付く可能性があります。

きっかけがお家騒動だろうが何だろうが、結果として店舗数が増えればラーメン市場活性化の起爆剤となるわけです」  

こうした中、独立組がまたしても新店舗をオープン。7月中旬に「中華そば ふじの」の新津店(新潟市秋葉区)が、同月下旬に東中野山店(新潟市東区)が相次いで新装開店した。